今回は最近読んだ洋書を1冊ご紹介します。
英語圏在住とは言え、一生私にとっては第2言語である英語。自信があるとは言えないし、ずーっと勉強です。

これから洋書も少しずつご紹介していければいいなぁと思っています。
今回は、
WONDER/R.J. Palacio
出版社:CORGI BOOKS
ソフトカバーで310ページ(最終章終了ページ)
ISBN:978-0-552-56597-4
初版は2012年
のこちらの児童書を読みました。
対象は小学校高学年から中学生。

Wonder

ワンダー Wonder
洋書を読む方は必ずと言ってもいいかもしれないほど、皆さん読んでいる1冊。
というのが読み始めたきっかけです。
あらすじ
生まれながらにして遺伝子の病気により顔に障害を持っているスターウォーズ好きの男の子August。受けた手術は27回。
愛情溢れる父、母、姉、そして愛犬に見守られ母によるホームラーニングを続けてきたが、10歳になり両親は息子を学校に通わせてみようと考え、嫌ならやめてもいいという条件付きで近所の私立学校に通学を始める。
外見的特徴から偏見やいじめに遭い、思い描いていた学校生活は早々に崩れ去るも、家族や理解ある教師たち、新たにできる友人との関係もあり困難を乗り越えていく。
魅力と感想
まずストーリーとは関係ないところですが、読みやすい!!!!!
児童書と言ってもネイティブ向きなので知らない単語が多すぎる本もある中、日本で習う高校生程度の英語力があればまず苦労しない、基本的に一人称でシンプルな文章と単語によって構成されています。
また1章が見開き1ページ~3ページ以内で、1日1章のペースでも区切りやすい、挫折しにくい♡

この章どこまでかなーとパラパラめくって終わりが見えないとちょっと疲れませんか?(笑)
主人公だけでなく各パートにより視点が変わり、お姉さん、友人、お姉さんのボーイフレンド、と色んな目線で物語を見ることができます。
ただただ障害を持つ男の子とイジメっ子たちという構図にはなっていない点と、偏見自体を圧倒的悪として扱っているわけではない点が、
大人が読んでも面白いと感じる理由ではないかなと個人的に感じました。
児童書らしく、親切に対する教訓も書かれていて、
英語の先生がアメリカの著作家の言葉を授業で扱う場面や、
When given the choice between being right or being kind, choose kind.
p.48 Wonder
正義か優しさ(親切)の選択肢があれば、優しさを選べ。
確かに主人公の顔は醜いんです。それは事実。でもイジメるか、向き合うか、その選択もそれぞれが持っているなと周りの反応を読んでいて考えました。
校長先生が主人公に贈る言葉に、
Kinder than is necessary. Because it’s not enough to be kind. One should be kinder than needed.
p.300 Wonder
必要以上に優しくしよう、とでも言えばいいか。
悩みを持っているのは主人公だけではなく、周りのみんなも何かしら悩みや葛藤を持っているこの物語。
こちらが思っているより優しさが必要なこともあると最後の最後の方にまたグッときます。
最後に個人的にいいなと思ったのは、
辛いことがあり学校に行きたくないという主人公に、高校生活が始まり密かに悩む姉が、
「学校なんてみんな嫌になることがあるの!普通になりたかったんでしょ?これが普通なの!」
と叱咤激励する場面。
守ってあげたいけど、そればかりでも良くない、そんな気持ちがよくわかる。
児童書、侮れない。
学校ものか~
と30代も半ばの私はちょっと敬遠していた部分もあったのですが、子を持つ親になったからこそ思うこともあるし、
子どもの世界を痛くも懐かしむ瞬間でもあり、児童書もいいなと改めて。
読んで良かった!と思う1冊なので、日本語でも、英語でも、はたまた映像でも、まだ話を知らない人はぜひ1度この物語に触れてもらえれば、とおすすめです。
それでは良い1日を!
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